第2章 (part 4)
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L001
すごい数のお客さんだわ。
L002
さすがは名高いジェニス王立学園だね。
L003
学園レベルの祭とは思えないな。
L004
ふふ、今年は例年よりもお客さんが多いみたいです。
L005
よーし、ついに始まったか。
L006
ハンス、とっとと行くわよ
L007
ののよ。
L008
俺たちは生徒会室にいるから何かあったら来てくれ。
L009
2人とも頑張ってね
L010
では、私たちも見物を始めましょうか?
L011
うん、レッツ・ゴー!
L012
さーて、どこから回ろうかな〜♪
L013
私がいつでもこれから回っから
L014
クローゼも行きたい場所があったら遠慮しないでね。
L015
しちろんです。
L016
あっ、姉ちゃんたち!
L017
みんな……い来てくれたのね!
L018
よく来たわね、チビっ子ども
L019
どう、楽しんでるかい?
L020
すっごく楽しいよ〜♪
L021
ぼく、いっぱいお菓子たべちゃった
L022
あんたはちょっと食い意地はりすぎだってば。
L023
テレサ先生と一緒に来たの?
L024
そこで他の人と話をしてたけど……
L025
あ、来た来た♪
L026
こんにちは。
L027
あ、テレサ先生
L028
先生……こんにちは。
L029
今日は招待してくれて本当にありがとうね。
L030
子供たちと一緒に楽しませてもらってますよ。
L031
銀袋の方……孤児院の皆を助けてくれたそうですけど……
L032
……とにかく、とっととヨシュアを見つけないとね。
L033
もうそんな時間なんだ。
L034
はい、衣装の準備をしたらすぐに開演になると思います
L035
よーし、それじゃあいよいよ出陣ってわけね!
L036
銀愛男の方はどうしよう?
L037
そうだわ……い
L038
カルナさんに伝えて注意してもらうしかな
L039
そして30分後……
L040
ゆちゃめちゃ人がいる〜。
L041
あう〜、何だか緊張してきた。
L042
大丈夫ですよ、エステルさん。あれだけ練習したんです
L043
それに、劇が始まったら他のことは気にならなくなると、
L044
つの事にしか集中できないタイプだからね
L045
むっ、言ってくれるしゃない。
L046
でもまあ、そのカッコじゃ何言われても腹は立たないけど、
L047
はいはい。痴話ゲンカはそのくらいで。
L048
……今年の学園祭は大盛祝よ。
L049
公爵だの市長だのお偉いさんがいるみたいだけど、私たちが臆することはないわ。
L050
練習通りにやればいいだけのこと、
L051
俺たち自身の手でここまで盛り上げた学園祭だ
L052
最後まで、根性入れて花を咲かせてやるとしようぜ
L053
はあ、あのお姫様は……ヨシュアさんではありませんか
L054
(ふふ、男女の屈役が逆とは……ジルもなかなか考えましたわね。
L055
(はい、お嬢様。)
L056
(ただヨシュア様はともかく他のメイドの方はちょっと……
L057
(さゃあきゃあ!お姉ちゃんたちステキ!)
L058
(く、悔しいけど……男よりも格好いいかも……!
L059
〈心〉《か》……。静かに見ましょうね。)
L060
公演の言う事ももっともだ。
L061
平民どもに付け上がらせたら、伝統は失われるばかりだからな。
L062
もう少し声を押さえめに……
L063
(フム、大したものだ。時代考証もしっかりしている。)
L064
〈最初、男女の役が逆と聞いていかがなものかと思いましたがな。)
L065
(ふふ、生徒たち全員の努力のたまものでしょうな。)
L066
(それと協力をしてくれた若き遊撃士たちの……》
L067
(なーるほど……:なかなか見せてくれるじゃねえの。
L068
(となるとこの次の展開は……)
L069
く……いかんいかも。危うく仕事を忘れるとこだったぜ。
L070
なかなかドラマチックですこと、
L071
こうして「付き花のマドリガル」は大好評のうちに声を閉じた。
L072
同時に、学園祭の終了を告げるアナウンスが鳴り響き……
L073
来場客は、みな帯足した表情で学園を後にするのだった……
L074
いや〜、ほんとお疲れ!
L075
監督の私が言うのも何だけど最高の舞台だったわよっ!!
L076
最初、男女が逆ということで笑われてしまったけれど……
L077
みんな、劇が進むにつれて真剣に見てくれて本当によかった。
L078
うん、そうだね。あんな恰好した甲斐があったよ
L079
もう2度としたくないけど……
L080
はは、そんなこと言うなよ。
L081
写真部の連中が、劇のシーンを何枚か撮っていたけど……
L082
お前さんの写真がどれだけ売れるか楽しみたぜ
L083
ハア、勘弁してよ……
L084
エステルたちの写真もすっごく売れると思うわよ。
L085
『お姉さま』なーんて呼ばれちゃったりして
L086
もう、ジルったら……
L087
のれい……
L088
どうしたの、エステル?
L089
え、あの、なんの話!?
L090
劇が終わってからボーッとしてるみたいだけど、大丈夫かい?
L091
ハードな決闘だったから疲れちまったのも無理はないさ。
L092
調子悪いんだったら医務室に案内するわよ?
L093
だ、大丈夫だってば!
L094
これでも遊撃士なんだからこのくらいの疲れ、日常森飯事よ。
L095
ただ、気が抜けたっていうか頭が混乱してるっていうか
L096
エステルさん、もしかして……
L097
あーもう、とにかく全然問題ナシ
L098
失礼してもいいかしら。
L099
やっぱオトコはああでなくちゃ!
L100
ふふ、ありがとう
L101
ああん、ユリウス様~
L102
ちょっとマリィ……
L103
ヨシュアちゃん☆とっても可愛かったよー。
L104
ポクもうっとりしちゃったぁ。
L105
あはは……い、ありがと……
L106
ふふ、みんなで楽しませてもらいましたよ。
L107
恋と友情の間で悩みながら時代の奔流に立ち向かっていくそれぞれの主人公たち……
L108
手に汗を握る決闘の果てに待ち受けている哀しい決着
L109
そして心温まる大団F-:::
L110
本当に素晴らしい劇でした。
L111
いや〜、そう言って頂けると頑張った甲斐がありますよ。
L112
あ、そうだ……。ハンス。
L113
ああ、そうだったな。
L114
なに、どうしたの?
L115
ちょっと用を思い出したの。
L116
すぐに戻ってくるからそのままおもてなししてて。
L117
う、うん……?
L118
今の人たちは、ジルさんにハンスさんと言ったかしら
L119
クローゼのお友達でたしか生徒会の人たったわね。
L120
はい、今回の劇では監督と演出を担当しました。
L121
そう……感謝しなくてはね
L122
本当に、ルーアン地方でのいい思い出になりました。
L123
この子たちにはまた……?
L124
マノリアに帰ってから話します。
L125
そ、そんなに急に!?
L126
なになに、何の話だよー?
L127
失礼でしょ、クラム!大人の話にわりこんだりして。
L128
いいのよ、マリィ。
L129
でも、とりあえずは宿屋に帰るとしましょうか
L130
夕食を食べて……話はそれからでいいですね?
L131
……ーーーそれではクローゼ……エステルさんもヨシュアなんも、
L132
……ーーー私たち、そろそろ失礼しますね。
L133
今日は本当にありがとう。素晴らしいものを見せて頂いて
L134
あ、ちょっと待って。ジルたちが戻ってくるから……
L135
……失礼するよ。
L136
まあ、コリンズ学園長……
L137
久しぶりたのう、テレサ院長。
L138
せっかく来て頂いたのに挨拶が遅れて申しわけなかった。
L139
とんでもありません……
L140
本当に、素晴らしいお祭りに招いていただいて感謝しますね。
L141
ふふ、生徒たちも頑張った甲斐があるというものだ。
L142
……事情はクローゼ君から聞いた。本当に大変なことになったものだ。
L143
そこで、わしらも微力ながら力になれればと思ってな……
L144
どうぞ、お受け取りください。
L145
これは……?
L146
来場者から集まった寄付金でちょうど100万ミラあ
L147
孤児院再建に役立ててください。
L148
ひ、ひゃく万ミラ!!
L149
すごい大金ですね……
L150
どうしてこんな……
L151
今回は、公演やボース市長など多くの名士が来場したからのう
L152
例年よりも多く集まったのだよ。
L153
学園長……
L154
そんな、いけません!
L155
こんなものは受け取れません
L156
遠慮する必要ありませんよ。
L157
毎年、学園祭で集まった寄付金は福祉活動に使われているんですから、
L158
孤児脱再建に使われるのなら寄付した方々も納得しますっ
L159
でも……い、そんな……
L160
ここまでして頂くわけには"
L161
どうか受け取ってください
L162
クローゼ……いですが……:
L163
先生が戸惑う気持ちも判ります。
L164
どうか考えてみて欲しいんです
L165
それだけのミラがあったら、鉱児院を再建するのはもちろん、王都に行く必要もありません。
L166
クローゼ君の言う通りだ。
L167
あなたは、拘りを捨ててそのミラを受け取るべきだろ
L168
……ああ……
L169
―――ーーーッッ!!!……"のの""":
L170
―――ーーーッッ!!!何とお礼を言っていいのか……
L171
ありがとう……本当にありがとうございます。
L172
グス……いよかったぁ.::
L173
うん、これで一件落着だね。
L174
な、なあ……王都に行くってなんだよ?
L175
何がどうなっちゃってるわけ?
L176
別に苦労なんてしたつもりはないけど……
L177
それよりも先生……どうして泣いてるのさぁ
L178
そんなの嬉しいからに決まっているじゃない
L179
テレサ院長と子供たちがマヨリカへ帰った後……
L180
エステルとヨシュアは他の生徒と一緒に祭りの後片付けをした
L181
そして、片付けが終わった頃にはすっかり夕方になっていた
L182
やっぱり一番の思い出といえば、ヨシュアのセシリア姫よね〜。
L183
危険だね……気合いを入れるよ!
L184
ん、〜
L185
……そいつは同感だな。
L186
随分と、やっかいな事になってるみたいじゃねえか。
L187
他人事みたいに言わないでよ!
L188
カルナさんだってやられちゃったんだから!
L189
判ってる……さゃんきゃん騒ぐな
L190
確かにカルナは一流だ。相当、やばい連中らしい
L191
大さっぱでいいから一通りの事情を話してもらおうか
L192
寄付金が奪われたことも含めてアガットに一通りの事情を説明し
L193
ふん、なるほどな……妙な事になってきやがった
L194
妙って、何がよ?
L195
ああ、実はな……
L196
《レイヴン》の連中が港の倉庫から行方をくらました。
L197
それって……
L198
やっぱりあいつらが院長先生を襲ったんしゃ!?
L199
いや、それはどうかな。
L200
彼ら程度に、カルナさんが遅れを取るとも思えない。
L201
そっか、確かに……
L202
あの連中、口先だけてろくに鍛えてなかったもんね。
L203
しばらく睨みを利かせて大人しくなったと思ったが……
L204
今日になっていきなり姿をくらましやがって……
L205
そこに今度の事件と来たもんだ。
L206
ああ、だが今はそれを詮索してる場合しゃない
L207
新米だも、とっとと行くぞ。
L208
なによ、いきなり……
L209
いったい、どこに行くの?
L210
わかんねえヤツだな。犯行現場の施道に決まってるだろ。
L211
あのバカどもがやったかどうかはともかく……
L212
できるだけ手がかりを掴んで犯人どもの行方を突き止めるんだ!
L213
あ……いなるほど。
L214
分かりました、お供します。
L215
なんだ、今の鳴き声は……
L216
まあ、ジーク……どこに行ってたの?
L217
な、なんだコイツは。
L218
クローゼのお友達てシロハヤブサのジークよ。
L219
はあ……。お友達ねぇ……
L220
ピュイ、ピュイ
L221
そう……わかったわ。
L222
ありがとうね、ジーク。
L223
まったく呑気なもんだぜ。
L224
先生たちを襲った犯人の行方を教えてくれるそうです。
L225
襲われた時にちょうど見ていたら
L226
ははは!面白いジョークだぜ
L227
さすがジーク!
L228
うん、お手柄だね。
L229
お前ら、そんなヨタ話を信じてるんしゃねえだろうな
L230
僕たちは何度かこの日で確かめていますし。
L231
信しないんだったら付いて来なけりゃいいのよ。
L232
クローゼ、ジーク、行きましょ
L233
こらガキども、待ちやがれ!!